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心をどっかへ持ってかれる「ネル」


マーク・アイシャムという人はオーソドックスな映画音楽を書く一方で、「ネバー・クライ・ウルフ」や「ヒッチャー」などでシンセサイザー中心の環境音楽も書き、「蜘蛛女」「モダーンズ」などでは本業のジャズもやるという才人です。

「ネル」は、ジョディ・フォスター扮する野生児ネルの物語なんですが、ネルのテーマはアメリカのカントリーっぽい音が映画の舞台を忠実に描写して、オーソドックス路線かと思わせます。しかし、メインタイトルバックに流れる曲はピアノ、弦による環境音楽風の音作りから、オーケストラが加わってくるという不思議な構成で、世間から隔絶して育ったヒロインをドラマチックに描写しています。それ以降の曲もオケをバックにピアノ、フルートを中心に幻想的な音が続きます。ヒロインが月下の湖で泳ぐシーンに流れるフルートの音が無垢なヒロインの美しいイノセンスを描写しており、聴いていると、心をどこかへ持っていかれそうな気がしてきます。

映画としては、彼女が社会に適応できるかどうか審査するといったヤボな展開になるのですが、音楽はあくまでネルの内面を丹念に描写していきます。その暖かい包み込むような音楽があって、ネルの存在が肯定的に受け入れられているといっても過言ではないくらい、音楽の重要度が高い映画になっています。

映画を離れたアルバムとして聴いても、心を洗われるような気分になれます。シンセサイザーで演奏しそうな環境音楽的な部分をあえて生の楽器を使うことで、地に足のついた音つくりになっています。編曲・指揮は、他のアイシャム作品のほとんどを手がけているケン・カグラーが担当しています。

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Author:einhorn2233
Yahooブログから引っ越してきました。静岡出身の横浜市民で映画とサントラのファンです。よろしくお願いいたします。

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