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「ピッチ・パーフェクト ラストステージ」は音楽ネタ娯楽映画としてオススメできます。


今回は新作の「ピッチ・パーフェクト ラストステージ」を、TOHOシネマズ日比谷1で観てきました。TCXという、でっかい画面が売り物の映画館なんですが、劇場が大きければスクリーンもでかくなるよなあ。

バーデン大学のアカペラコーラスグループ、バーデン・ベラーズにいたベッカ(アナ・ケンドリック)たちは卒業して各々の人生を歩んでいました。後輩であるエミリー(ヘイリー・スタインフェルド)の開いた同窓会にかつてのメンバーが集まるのですが、現役ベラーズのパフォーマンスに圧倒されちゃいます。そんなOGのオーブリー(アンナ・キャンプ)から、軍の偉い人である父親のコネで米軍慰問団のツアーに参加してはという提案を受け、現状があんまりハッピーでないみんなはその話に乗ります。かくして、ヨーロッパの米軍基地を回ることになる元ベラーズのみなさん。そこには、他のバンドもいて、どうやら有名なDJギャレットの前座を選ぶコンペでもあるみたいなんです。そこで張り切るベラーズOGのみなさん。その一人太っちょエイミー(レベル・ウィルソン)の前にかつて家出した父親(ジョン・リズゴー)が現れます。過去は色々あったけど、仲良くしようという父親に一度はほだされるエイミーですが、父親は昔悪い事してお金を稼いでいたこともあって、足を洗ったという彼をそう簡単には信用できないのでした。一方、ベラーズOGは、基地を回るツアーを他のバンドと共に盛り上げるのですが、果たしてDJギャレットのお眼鏡にかなうのでしょうか。

第1作の「ピッチ・パーフェクト」は、大学アカペラ選手権を舞台にした、アナ・ケンドリック主演の青春ドラマでした。でも、脇のバーデン・ベラーズの面々のきつめのキャラと、アカペラコーラスの楽しさが加わって、よくできた娯楽映画に仕上がっていました。で、同じメンバーで続編「ピッチ・パーフェクト2」では、世界規模のアカペラ選手権にパワーアップ。ベラーズの面々がより前面に出て、前作の主演だったアナ・ケンドリックが後ろに下がって、集団ドタバタコメディに、さらにゴージャスなアカペラコーラスを乗せたパワフルな作品になったのですが、前作にあった青春映画の味わいが薄れてしまったのが、私には物足りなかったです。まあ、要は、アナ・ケンドリック目当てで観た1作目がよかったので、続編を観たら、今度は彼女の出番が減っていてがっかりという話でもあるんですが、青春ドラマは結構好きなので(「チアーズ」とか「ルーカスの初恋メモリー」とか ← 古い!)、音楽のパワーも感じさせるこのシリーズ、3作目にもそこそこの期待を持って、スクリーンに臨みました。

シリーズ全作の脚本を手掛けたケイ・キャノンと「グッド・ガール」「スクール・オブ・ロック」のマイク・ホワイトが共同で脚本を書き、ダンサー、振付師であり、ミュージックビデオやCMの実績のあるトリッシュ・シーがメガホンを取りました。今回は、大学を卒業してベラーズOGとなったベッカたちを主人公に、前作にあった色恋沙汰をばっさりとカットして、人生の岐路に立つ女子たちのドラマに仕上げています。と、言うと何だかマジメっぽい映画みたいですが、基本はベラーズOGのドタバタが中心でして、そこにベラーズのアカペラコーラスがバンドやラッパーと張り合うという趣向が新機軸となっています。前作で、ドイツチームの究極のアカペラコーラスを見せているだけに、今回、アカペラコーラス同士のコンペにしなかったのは、ある意味成功しているのですが、前2作を楽しんだ人間からすると、アカペラコーラスの比重が軽くなっているのは、ちょっと物足りないかも。また、今回、ドラマの中心をベッカとエイミーのダブル主演という形にしたのは、青春ドラマとドタバタコメディの両立という欲張った構成を成功させています。私は、前作よりも、アナ・ケンドリックの出番が増えていたのがとりあえずうれしい。でも、第1作のカップ芸は見せてくれなかったのは残念。また2作目から参加のヘイリー・スタインフェルドがかわいくて、彼女中心の続編ができそうな予感もして、まだ続くかも(?)という余韻も残しました。

アカペラコーラスというのは、ドラム、パーカッション、ギター、シンセなどの楽器も人の声で演じて、さらにボーカルもかぶせるというもの。若い女の子がダンスを加えて歌う様子は、楽しくて盛り上がります。とは言え、アカペラコーラスそのもののインパクトは1作目より薄れてしまっているので、さらにバンドと競うといった趣向でハードルを上げることになります。そう考えると、前2作を未見の方が初めてこの映画をご覧になった方が、アカペラコーラスがより新鮮でスゴい芸だと思えて、常連さんよりより楽しめるかも。リフラフという、歌を使ったしり取りと山手線ゲームをミックスしたようなゲームが毎回登場しますが、これなんかも音楽のパワーと楽しさを実感できる楽しい見せ場になっていまして、音楽ってやっぱりすごいねえってのを納得できる映画として、オススメ度高いです。音楽のパワーを感じる映画ということでは、今年は「マンマミーア2」がありましたけど、甲乙つけがたいという感じかなあ。お話としては、どちらも今一つ難があるんですが、音楽パワーで乗り切っちゃうところが似ているという感じかしら。

もう一方のドタバタコメディの部分は、無理やりぶち込んだ感もあるけど、そもそもレベル・ウィルソンの存在自体がリアル青春ドラマに無理やりぶち込んだキャラなので、まあ、こういう話もありなのかなって感じ。一応、親子関係がドラマの中に何度も登場するので、それなりに映画のテーマになっているのでしょうけど、そこがこなれていないのが泥臭さを感じさせるのはご愛敬。好みの問題ではあるのですが、ベッカがヒロインの青春コメディという作りの第1作が好きだった私としては、他の賑やかしの皆さんをほどほどに、ベッカのドラマを観たかったわけで、今回は、その部分もそれなりに作り込まれていまして、ベッカの成長とベラーズの絆が音楽で描かれるラストはぐっと来るものがありました。まあ予定調和ではあるんですが、娯楽映画として丸く収まるドラマは音楽の良さも加わって、いい感じの余韻を残します。



この先は結末に触れますのご注意ください。



何と、DJギャレットの目に止まったのは、ベラーズではなく、ベッカ一人でした。そして、DJギャレットから一人告げられたベッカは、チームで選ばれなかったことで、彼の申し出を断ります。一方、エイミーの父親はベラーズのメンバーを拉致して、エイミーに銀行口座から金を下ろすように脅迫してきます。ベッカとエイミーは、父親のクルーザーに忍び込み、ベッカは捕らわれメンバーを率いて、アカペラコーラスを演じて時間を稼ぎ、エイミーはクルーザーに爆薬を仕掛けます。コーラスのナンバーが終わった時、エイミーが乱入し、メンバーが海に飛び込むと同時に爆発が起こり、父親たちは逮捕されます。ベッカは、自分だけ選ばれて断ったことをメンバーに伝えますが、メンバーは各々が自分の道を進む時だとベッカを後押しします。そして、DJギャレットのイベントで前座で登場したベッカは、自分の声を重ねて伴奏を作り出すパフォーマンスを披露、そして、そこへベラーズのメンバーもステージに上がって、大盛り上がりのステージとなるのでした。めでたしめでたし。

後半の誘拐ネタはストーリー的に無理やり感が強くて、私はあまり乗れませんでした。エイミーがやたら強くて男たちをバッタバッタとやっつけるアクションも唐突で、何じゃこりゃの気分。ラストのナンバーは、ベッカのソロから、ベラーズのメンバーもステージに上がって盛り上げるナンバーはなかなかに感動的で、ここはよかっただけに、総合点としてはまあまあかなあ。前にも書いたように、ごひいきのアナ・ケンドリックがきちんと主演としてドラマを支えている分さらに点数上乗せという感じかしら。レベル・ウィルソンは面白さは認めるけど、その存在感がクドく感じられて、もう少し全体とのバランス取れよと思ってしまいました。コメディリリーフを全部彼女の押し付けたからそうなったということもできるのですが、個性派揃いのベラーズの面々がちゃんといるのですから、集団劇の面白さをもっと見せて欲しかったところです。とは言え、音楽のパワーで最後まで楽しめるので、エンタテイメントとしてオススメできます。また、控えめなポジションでも、その存在感を見せたヘイリー・スタインフェルドは、これまでのキャリアも含めて、硬軟どっちもいける女優さんみたいなので、今後も期待です。アマンダ・セイフライドのポジションあたりにはまりそうな器用さを感じる女優さんでした。
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