今昔映画館

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「エマの秘密に恋したら」はライトなタッチのラブコメ。ライトさでハッピー感が薄めなのは私が鈍感だからかしら。

エマの秘密
今回は新作の「エマの秘密に恋したら」を横浜みなとみらいのKinoCINEMA横浜みなとみらいシアター1で観てきました。54席のちっちゃい映画館で、日曜の朝10時だというのにお客さんは私を入れて5人、みんな外出自粛しているのか、今更のラブコメなんて、集客力はこんなものなのか。

ニューヨークのオーガニック食品の会社で働くエマ(アレクサンドラ・ダダリオ)は、シカゴ出張で失敗してしまい、意気消沈で帰りの飛行機の乗ったら、その飛行機が乱気流に入ってしまい、もともと飛行機苦手な彼女は、逆上して「もう人生終わるから、なんでもかんでもぶちまける」と隣の席の男性に自分の秘密を全部ぶちまけちゃいます。会社に戻って、失敗を上司に起こられているところへ、会社の創業者の一人であり、今のオーナーであるジャック(タイラー・ホークリン)がオフィスを引っ越してきます。エマは、新しいオーナーを見てびっくり、だって乱気流の飛行機で隣の席にいた男だったんだもん。ジャックには仕事の愚痴やら同僚の彼氏のこととか洗いざらい話してしまってたので、これはやばいとあせったエマに、彼はしごく普通に接してくれます。むしろ、彼女に興味と好意を持ったようで、彼氏と別れたタイミングで、エマをディナーに誘います。二人はかくしてラブラブになるのですが、ジャックは何か隠し事があるみたい、それが気になっていたところで、テレビのインタビューでジャクが今付き合ってる女性について話してしまったら、それがエマであることが一目瞭然で、会社中に二人がラブラブなことが知れ渡ってしまいます。ショックで傷心の彼女はジャックからの電話にも出ません。ルームメイトたちがジャックに一発一泡吹かせてやるべきだと言い出して、話が厄介な方向に転がってしまうのでした。

「レベッカのお買い物日記」などで知られるソフィー・キンセラの小説を、ピーター・ハッチングスが脚色し、ドキュメンタリー映画で実績のあるイリース・デュランがメガホンを取りました。監督、キャストに知った名前はなかったのですが、最近、劇場公開されないラブコメだったので、劇場まで足を運びました。ヒロインのアレクサンドラ・ダダリオは「カリフォルニア・ダウン」で、ドウェイン・ジョンソンの娘を演じて、ムチムチ女子高生(女子大生だったかな)ぶりで印象的でしたが、この映画は、セクシーさより、ダサめのドジっ子ぶりがかわいいヒロインになっています。ただ、かつてのラブコメがヒットして次々に劇場公開されていた頃のヒロイン(メグ・ライアンとか、ジュリア・ロバーツ、ドリュー・バリモア他諸々)に比べると、いい意味でのアクが足りない感じ。普通で庶民的というのは、共感を呼ぶヒロインに向いているのですが、映画1本を支えるパワーという意味では、力不足に見えてしまいます。昔のヒロインがそれを両立させていた気がするのは、ノスタルジーな懐古趣味なのかもしれません。この映画で、ダダリオの良さを活かしきってないという印象を持ってしまったのは、彼女自身より、演出の問題なのかも。彼女の次回作に期待したいところです。

主人公のエマはオーガニック食品の会社の営業かマーケッティング担当なのかな。お客先で失敗しちゃう冒頭からすると営業っぽいんですが、企画会議にも顔を出してますし、広告媒体の選択もしているみたい。仕事は頑張ってるみたいで、一応彼氏もいるんですが、趣味が合わないし、ちょっと変態っぽいところもある彼氏なので、エマちょっとかわいそうかなって思ってたら、ストレスたまったエマの方から会社の倉庫でエッチしようとかせまったりするから、どっちもどっちのカップルみたい。まあ、お互いの共通点不足からか、映画の前半で破局。それを知ったジャックが食事に誘ってラブラブという展開は、淀みがなくてスムースだけど、その分薄味かなあ。オヤジ目線で申し訳ないのですが、エマというヒロインに、あまり人としての魅力を感じなかったせいで、薄味に思えてしまったのかもしれません。女性目線の方が、飛びぬけたところのないエマに共感できるのかなあ。エマが、あまりに普通というか、そんじょそこら感が強いので、こんなのがイケメンセレブの目にとまるというのに説得力が感じられなくて、ジャックの好みもかなりゲテモノ系なのかもって気がしちゃいました。たまたま乱気流のおかげで、普通なら知りえない女の子の裏の裏まで知ったことが新鮮で惹かれたのだしたら、これは吊り橋効果の変化球ということになるのかも。

業界ドラマの部分では、女性が評価されるのは大変で、トップと寝た女性なら尚更だというところがちょっと面白かったです。後、個人的にツボだったのが、会議で、やたらビジネス用語を使うスタッフが、ジャックが「もっと簡単な言葉で」と言われて、言い直したら大したこと言ってなかったというところ。私の勤める会社でも、バリューチェーンだのデジタルトランスフォーメーションだの、目的と手段をごっちゃにしたような言葉が飛び交ってて、「だから何のために何をしたいの?」と常々思っていたので、どこも似たようなもんだなあって、納得しちゃいました。

映画としては、ラブコメの王道、ちょっと変わった出会いから、ラブラブ、諍い、和解、という定番パターンを踏襲しています。94分という最近の映画には短めの時間で、さっくりとまとめていまして、ドラマチックな展開はほぼない、ライトな味わいのラブコメに仕上がっています。その軽さは、映画にとってのマイナスポイントにはなっていません。こういうライトなラブコメもありですもの。エマがダサめドジっ子ヒロインなのに対して、ジャックの方がほとんど欠点がなくって、誠実な金持ちイケメンになっているのは、女性からすれば理想のストーリーになるのかしら。私のようなダサダサオヤジからすれば、ジャックは完璧すぎて、嫉妬の対象にもならないのですが、恋愛ものでどっちかが完璧系だとドラマとしての深みが出なくなるってことはあります。私は、基本ラブコメが好きなので、こういう映画には好意的なのですが、この映画を普通の映画ファンが見たら、ドラマ的な展開が少なくて物足りないかもしれません。ドラマにのめり込むことなく、ぼーっと観てられるってところは、テレビ向きで、こういう話ならテレビでやればいいじゃんとも思うのですが、それでも、このジャンルが映画館からなくなっちゃうのは、さびしいのですよ。




この先は結末に触れますのでご注意ください。



エマのルームメイトの一人はメディアに知り合いがいるので、ジャックがエマに隠している秘密を暴露して復讐しようと焚きつけてきますが、エマ本人はあまり気乗りがしません。そして、エマは、ルームメートの弁護士のダンスサークル発表会を観に行くのですが、その会場にジャックが現れます。エマは、自分の全てを知ってるジャックが、自分との関係をテレビで話したりする一方で、ジャック自身のことを何も知らされていないことが不満でした。そこで、ジャックはそれまで隠していたことは打ち明けます。それは、亡くなった相棒の創業者の娘のことをマスコミの目にさらさないために画策していたのだということ。それを聞いて一安心したエマですが、そこへルームメイトが手配したゴシップ紙の記者が現れたので、今度はジャックが裏切られたと思って、エマから去っていきます。シカゴ行きの飛行機に乗るジャックの前に、エマが現れて、記者の件の誤解を解き、今まで他人の評価ばかり気にしてきた自分が、ジャックに出会えてありのままの自分に自信が持てたと伝えます。自席に戻ったエマの前に今度はジャックが現れて改めて自分の秘密を語り始めます。二人並んでお互いのことを語り合って、再びラブラブになったところで、おしまい、エンドクレジット。

クライマックスは、これまで観てきたラブコメの中でもかなりあっさりとしたもので、ドラマチックな要素はほとんどなく、誤解を解いて、お互い愛してることを再確認するというもの。ラブコメはハッピーエンドがうれしいですが、映画全体の味わいのせいか、ハッピー度も薄めになっちゃったのが微妙なところです。ライトなタッチは全然ありなんですが、もっとドラマを弾ませて、ハッピー気分を盛り上げて欲しいと感じてしまったのですが、注文が多いかしら。
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コメント

pu-koさん、コメントありがとうございます。

確かに最近の女優さんで、ラブコメが似合う女優さんが少ないような気がします。「テッド」のミラ・クニスとか期待したんですけどね。「ピーターラビット」で恋愛模様を好演したローラ・バーンが「15年後のプロポーズ」でいい感じになってくれたので、今度「トムとジェリー」に出るクロエ・グレース・モレッツが、ラブコメ側に転んでくれないかなあって期待しています。ちょっと売れた女優さんはみんなアメコミのダークサイドにはまってしまうからなあ。

私も最近ラブコメ観てないなぁと気づきました。
需要が少ないのか、作品自体も少ないんでしょうか。
「この娘が出てたらぜひ観たい」と思う女優さんも今は思いつかないかなぁ。
でも好きなジャンルなので、面白い作品が出てくることに期待したいです。
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Yahooブログから引っ越してきました。静岡出身の横浜市民で映画とサントラのファンです。よろしくお願いいたします。

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