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「スパイダーマン3」の何様感がちょっと気になる

新作ながら公開からちょっと間が空いてしまいましたが、川崎チネチッタ4にて「スパイダーマン3」を観てきました。ここは音がクリアでサラウンドもよく回るので、こういう映画にはもってこいです。

ピーター(トビー・マクガイワ)とメリージェーン(キルスティン・ダンスト)はいい関係でいよいよプロポーズしようと段階、そんなある夜ハリー(ジェームズ・フランコ)が変身前のピーターを攻撃してきます。何とか反撃した結果ハリーは近い記憶を失ってしまいます。一方、ピーターのおじを殺した男が刑務所を脱走、その逃走中に実験場に紛れ込んだ彼は突然変異してサンドマン(トーマス・ヘイデン・チャーチ)になり、病気の娘のために現金輸送車を襲いますがスパイダーマンに阻止されます。ピーターには宇宙から飛来した寄生生物がとりついて黒いスパイダーマンになり、性格も変わってしまいます。初舞台が酷評されて意気消沈しているメリージェーンにもやさしい言葉をかけてやることができません。攻撃的な性格になってしまったピーターは、サンドマンへ復讐するのですが、その心根をおばに諭されますが、寄生生物はピーターにとりついてなかなか離れないのでした。果たして、スパイダーマンは元の心とメリージェーンを取り戻すことができるのでしょうか。

スパイダーマンシリーズもいよいよ3作目。原作は未読なんですが、1,2作目は因縁話を絡めたドラマチックな活劇になっていまして、なかなかに盛り上がるお話に仕上がっていました。今回は、ピーター、ハリー、メリージェーンを巡るドラマに一つの区切りをつける一方で、サンドマン、ヴェノムというニュー敵キャラと、グウェンというサブヒロインまで登場させるというかなり欲張った内容のお話になっておりまして、サム・ライミ監督は活劇シーンを中心に2時間半弱の映画にまとめあげています。

前作は、不幸のつるべ打ちのようなドックオクの物語に、運命的な死による結末が、何だか重くてしっくり来ないところがありました。今回は、死へと収束する展開にはなっていないので、ドラマ的な重さは感じなかったのですが、ラストでの主要人物の死は、「これって必然性ないじゃん」って突っ込み入れたくなりました。今回は趣向が盛り込み過ぎの感もあって、最後のタッグマッチで無理やり決着をつけたように見えます。新キャラのヴェノムはドラマに割り込んだ感が強くて、ラストに向けてサンドマンのタッグパートナーを無理やり押し込んだという感じでした。消え方も無理やりでしたしね。

重いドラマが薄くなった分、主人公ピーターのヘタレぶりが前面に出たように思います。もともと、ヘタレなオタク野郎だったピーターに蜘蛛が噛み付いて、特殊能力を得て、その大きな力に付随する責任も認識したはずだったのですが、自分の人気者ぶりに得意顔だったり、寄生生物によって攻撃的になっているとは言え、メリージェーンにひどいことしたりと、こいつダメじゃんというキャラになっています。それの克服が結局黒いスーツを脱げば大丈夫というのは、「ホント? それだけじゃないでしょ」って突っ込みを入れたくなります。性根が変わってないのに、ラストでヨリを戻して大丈夫なのかとメリージェーンが心配になってきます。グウェンの存在が半端なのは続編での三角関係への伏線なのだとしたら、まだパーカーのヘタレ路線は続くということでしょうか。

メリージェーンを演じたキルスティン・ダンストはどんどんヒロインとして深みを増してきていて魅力的になっています。もう一人にサブヒロイン、グウェンを演じたブライス・ダラス・ハワードは今回はキャラが薄くて美形だけの出演でした。また、脇でジェームズ・クロムウェル(グウェンの父)やテレサ・ラッセル(サンドマンの奥さん)が出ていて映画を支えている他、毎度出演のブルース・キャンベルが今回は怪しげなフランス人役で笑いをとっています。

今回一つ気になってしまったのは、スパイダーマンが偉くなりすぎてないかってところ。ニューヨークの名誉市民になるのはいいんですが、脱獄して輸送車強盗までしてるサンドマンを許すってのは、お前何様のつもりだって思います。脚本も演出もそこに無頓着なのが、大変気になりました。病気の娘のためとはいえ、目的が正しければ何をしてもいいのかってところがあまりに大雑把だし、スパイダーマンの許しをもらえるとそれでチャラになるのかってところがあまりに安直です。まあまあ、そんな細かいところに目くじら立てることもないと思いつつ「大きな力には大きな責任がついて回る」といったマジメなテーマを扱ってきたシリーズにしては、意外に馬脚を現してしまったような気がします。

SFXは相変わらずスピード感あふれる活劇を映像化しており、特にオープニングのピーターとハリーの変身前対決が迫力満点でした。サンドマンの効果は、ちょっとファンタジーっぽいのがよかったのですが、結局、勝負の決着が曖昧になっていたのは物足りなくて残念でした。ともあれ、これだけのキャラを縦横無尽に飛び回らせたSFXは見事でして、今回、ドラマに「?」の部分が多いのを大いにカバーしていました。クリストファー・ヤングの音楽とありましたが、ダニー・エルフマンのスコアがかなり使われていたようで、ドラマチックに盛り上がる部分でヤングらしい旋律が聴かれるくらいだったのが、ヤングのファンとしては微妙な感じでした。スコアのサントラ盤を出して欲しいところです。

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hiromtb2007 さん、共感いただいてありがとうございます。サンドマンをアンタが許しても、わしゃ許しまへんでえというおまわりさんとかいると思うんですよねえ。それとも娘のためなら脱走されても砂に埋もれて死にそうになっても本望やっていう方々ばっかなのかしら。

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あははははっ!ご指摘かなり共感しました!TBさせて下さい^^!

No title

かりおかさん、コメントありがとうございます。今回のテレサ・ラッセル観て、「あれ、サトエリに似てる」なんてこと思ったのですが、「ジェラシー」や「ブラック・ウィドー」などなまめかしい役が多い人でしたね。「ジェラシー」から20年以上たつのですよね、もう。ちょっと、しみじみ。

No title

サンドマンの奥さんがテレサ・ラッセルというのに驚きました!なんか、雰囲気のある人だなとは思いましたが、わかりませんでした。「ジェラシー」とか、ニコラス・ローグ作品に出演してましたよね。ニコラス・ローグ好きだったので懐かしい。確かに、黒いスーツがなくてもいい気になってる感はありましたね。いらっとしました。ハリーは残念でした。

No title

pu-koさん、コメントありがとうございます。主要人物減らしですかあ、次はおばさんか、意外とグウェンが危ないんじゃないかしら。でも、死んで決着ってのは好きじゃないんですよねえ。引っ張ったドラマの決着が必ず死というのはやな安直だなあって。

No title

あたたかいドラマ部分を期待した点では物足りなさも感じるものの、アメコミの映画としてはかなりイケテルとは思います~w でもハリーの最後は人気者なだけに痛い気もするんですが、こうやって主要な人物減らしに入るのかぁ。次はメリージェーン危ないんじゃないだろうか(笑)
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Yahooブログから引っ越してきました。静岡出身の横浜市民で映画とサントラのファンです。よろしくお願いいたします。

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