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アルティスタコルダオーケストラによる「ハンス・ジマーの映画音楽」コンサート

今回は、東京芸術劇場大ホールで、アルティスタコルダスーパーオーケストラ コンサート「ハンス・ジマーの映画音楽」を聴いてきました。このオーケストラ、女性ばかりの編成で、人数はそんなに多くはないんですが、着ているファッションも重視していて、全員が立って演奏するという珍しいスタイルのオーケストラです。総監督のリュウ菅野が編曲と指揮を担当しています。こういうコンサートの場で映画音楽に特化したものは珍しく、特にハンス・ジマーを特集している点で、サントラオタクの私の食指が動きました。

オーケストラと言っても、あまり大きな編成ではなく、バイオリンが20名程度、ビオラが6名程度、チェロが4名、コントラバス2名、ブラスセクション6名に、ピアノ、ハープ、パーカッション4名、コーラス5名にパイプオルガンといった程度です。ホーンと木管が薄いのを頑張ってるなあというのと、その編成に合わせたアレンジがされているのが印象的でした。

プログラムは以下の通りです。
「パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊」よりメドレー
「パイレーツ・オブ・カリビアン」の1作目でして、活劇調のテーマを目一杯鳴らしているのが見事でした。ストリングセクション中心でもアクション音楽を演奏できるんだってところがちょっとした発見でした。ヒロイックなテーマが鳴って、その後からテンポの速いメインテーマが快調に聞こえてきて、つかみはOKという感じでしょうか。尚、この曲はクラウス・バデルトととの共作となっています。

「パールハーバー」
映画としては、「???」な作品だったので、どういう曲が出てくるのかと思っていたのですが、いわゆる愛のテーマが同じメロディの反復というミニマルミュージックを思わせる形で演奏されました。予告編などでよく使われる曲で、「そっかー、モトはこれだったのかー」という発見がありました。

「スピリット」
馬のアニメの音楽ですが、走る躍動感を思い切り表現して、コンサートの前半の山場になっていました。ジマーらしい音になっているのですが、ホーンセクションの頑張りが印象的でした。

「バックドラフト」
ラストの葬送の音楽から、毎度おなじみのテーマへなだれ込むのですが、ストリングス中心でこの曲を演奏するのはかなり難しそうだなという印象でした。葬送の部分のいわゆる音のタメの部分は大変よかったのですが、ラストのマーチで主旋律が前面に出てこなかったのがちょっと残念でした。

「ライオン・キング」
映画のラストを彩った曲だそうで、私もこの映画を観たのが10年以上前なので、印象が曖昧だったのですが、ここでもいわゆるジマー特有のオーケストラの音が確認でき、ラストはアフリカの雄大な自然を描写する感動的な音楽になっていました。

と、ここで休憩が入って、後半は「パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト」からの作品集となります。

「キャプテン・ジャック・スパロウ」
ジャックを描写するコミカルな曲ですが、今回の一番の聞き物でした。チェロのソロがシンプルなメロディを奏でると、バックのストリングスがそれに応えるという掛け合い風の音で始まって、その後、オケ、チェロ、ソロのチェロが複雑に絡み合いながら、盛り上がっていきます。映画は未見なんですが、この曲の確認のためにサントラ盤が欲しくなりました。しかし、コンサート用に大変盛り上がるアレンジが施されているように感じましたから、この演奏ライブがCDになることを期待したいです。

「ディヴィ・ジョーンズ」
敵役のタコ男、ディヴィ・ジョーンズを描写した曲で、彼が劇中パイプオルガンを弾くシーンがあることから、実際にパイプオルガンを前面に出した音で、まずはパイプオルガンのソロが続いてそこにオケがかぶさってくるという構成になっています。どこかコミカルで物悲しいメロディが色々なスタイルで演奏しているのが聞きものです。

「ザ・クラーケン」
でっかいイカの化け物を描写した音楽で、これはメインとなるメロディを持たないアンダースコアに近いものでした。大暴れするイカのうねうね感が今一つだったのは残念でしたけど、この編成としての最大限の効果を出していたように思います。

で、ここから先がアンコールなんですが、色々と出てくるんですわ。

「オペラ座の怪人」
これもパイプオルガンを前面に出してメインテーマをコーラスとストリングスで盛り上げています。パイプオルガンの音が強すぎて、これが鳴るとストリングスがかき消されてしまうのは、たぶん計算ミスだと思うのですが、ストリングスが前面に出る部分は見事で聞き応えがありました。個人的に好きな曲をこういうサプライズで聞かされるのはかなりうれしい。

その後。「リベルタンゴ」「ベストフレンズ」と続き「パイレーツ・オブ・カリビアン」を手拍子の中で演奏するという大盛り上がりを見せてくれました。

全体としては、独特の編成に合わせた編曲がされているので、オリジナルな音の再現とはちょっと違うのですが、選曲の目の付け所がよくて、こういう曲をコンサートで聴けるなんてすごいと思わせるものが多かったです。特に後半の「パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト」の曲は、素人の私にもいい演奏だとわかりました。このオーケストラにまた、別の作曲家にもトライして欲しいような気もしますが、一方で、このオケに相応しいジマーを選んだんだなと思わせるところもありました。ともあれ、楽しいコンサートで、映画音楽をこういう形で聴ける企画は大歓迎です。

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