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「エクスペンダブルズ」はスタローン監督主演のセガール風映画、大味だけど派手なお気楽アクション

今回は新作の「エクスペンダブルズ」をTOHOシネマズ川崎3で観てきました。予告編が正月第2弾の映画ばかりやってるんですが、お正月映画ってあんまり目ぼしいのがないのかしら。でも3Dが増えてるのはうれしくないです。「グリーン・ホーネット」や「あたしんち」の3Dとかもういいってば。

凄腕の傭兵部隊を率いるバーニー(シルベスター・スタローン)に新しい仕事が持ち込まれます。南米の小さな島ヴィレーナの独裁者ガルザ将軍を殺すというもので、バーニーは右腕のクリスマス(ジェイソン・ステイサム)を連れて、島に下見に出かけます。そこで情報提供者と接触する予定だったのですが、現れたのは若い女性サンドラ(ジゼル・イティエ)でした。彼女は島にモンロー(エリック・ロバーツ)というアメリカ人たちがやってきたからおかしくなったと言います。しかし、兵士たちに疑られたバーニーたちは、大暴れ。その時、サンドラの正体がガルザの娘だとわかります。彼女は、自分の身の危険を承知で島に残りますが、結局、モンローたちにつかまり拷問に遭います。彼女のことが気がかりなバーニーは仕事抜きで再度島に向かうことを決心します。クリスマスやヤン(ジェット・リー)たち仲間も彼と行動を共にすると申し出ます。果たしてサンドラを救出することができるのでしょうか。

シルベスター・スタローンが、デビッド・キャラハムの原案をもとに、彼と共同で脚本を書き、監督もしたアクション映画です。スタローン以下、ジェイソン・ステイサム、ジェット・リー、ドルフ・ラングレン、ミッキー・ロークといったB級アクションで主役を張る面々をそろえて、さらに、ブルース・ウィリスとアーノルド・シュワルツネッガーがカメオ出演するという、ある意味、大変豪華キャストの作品です。いわゆるプロの傭兵軍団が、軍事独裁政権の軍隊を相手に大暴れするという単純なストーリーのお話でして、スタローンの演出もひたすら見せ場をつないでいくというもので、かなり大味です。でも、そこは監督経験の豊富なスタローンだけに、単純な物語を退屈させることなく引っ張っていきます。前作「ランボー4」よりもさらにシンプルな内容は、スティーブン・セガールの映画に近いと言えましょう。

そんなシンプルなストーリーにアクセントとして2人の女性が登場してきます。クリスマスの恋人レイスは、他の男になびくのですが、最後は彼のもとへ戻ってくるという設定で、色恋沙汰のないこの映画での息抜きみたいな存在になっています。もう一人は、将軍の娘サンドラでして、彼女は将軍殺害計画に加担している一方で、将軍は娘を愛していて傷つけることができないというのが、全体大雑把な話の中では、ドラマチックな展開となっています。ラストは、娘の行動に打たれてモンローと手を切ろうとするのですが、逆にモンローの銃弾に倒れます。このあたりが原案の面白さだったのでしょうが、後半のドッカンドッカンの連続で、このドラマもかすんでしまいました。正直、この映画は、たくさん出てくる登場人物をそこそこ均等に描こうとしている節がありまして、その結果、全体的にドラマは誰も皆薄めという形に落ち着いてしまいました。その分、スタローンの演出のおかげで、モンローの部下を演じたスティーブ・オースティンやゲイリー・ダニエルズといった悪党の皆さんも結構印象に残りましたから、このあたりは一長一短でしょう。

後、本筋と直接絡まないのですが、傭兵部隊で精神的にちょっと危ういガンナー(ドルフ・ラングレン)がこの仕事をはずされたせいで、モンローにバーニーの情報を売り、バーニー殺害部隊に加わるというエピソードもあります。中盤にバーニーとヤンの乗った車が襲われて、カーチェイスの末、ヤンとガンナーが肉弾戦をするという見せ場がありますが、ジェット・リーとラングレンの見せ場を作るために設定されたエピソードのようで、コーリー・ユエンがリーの絡むアクションを殺陣をつけているので、それなりに見応えがあります。ただ、この映画、肉弾戦が多い割には、ジェフリー・キンボールの撮影はアップのカットばかり、ケン・ブラックウェルとポール・ハーブの編集はやたらカットを細かくすればいいと思ってるみたいで、せっかくのアクションがよく見えないのですよ。シネスコの横長画面で引きのカットがなくって、アップのカットをつなげれば迫力が出るのはわかるのですが、それは、肉弾アクションには不向きなのではないかと思いました。

クライマックスはバーニー以下5人で島に乗り込んで、サンドラを助けて、モンローと将軍をやっつけようという展開ですが、5人が行動開始してからは、ひたすらドッカンバリバリの連続で、前述の将軍と娘の葛藤もその中に埋もれてしまいました。5人がひたすら強くて、敵の兵士が文字通り木っ端微塵になっちゃうあたりは、いわゆる頭使わないB級アクションとして楽しめます。武器もナイフから、拳銃、マシンガンに、一発で人間が吹っ飛ぶすごい銃までバラエティに富んでいまして、爆薬による屋台崩しもあって、派手な見せ場になっています。実際、よく見ると、それほどお金かかっていないような気もするのですが、勢いで見せるのには成功しています。このクライマックスの無敵アクションがセガールっぽい感じなんですよね。変な理屈をこねない分、目の前にいる連中はとにかく皆殺しという展開は、お気楽娯楽アクションとして、よくできていました。ただ、良くも悪くもスタローンが登場人物を立て過ぎたので、盛り上がり的には今一つだったかも。ヒーローは一人にして、その一人にドラマを集約していくお話の方がスタローンには似合っているのではないかしら。

音楽を担当したのは、「ランボー4 最後の戦場」でもスタローンと組んだブライアン・タイラーでして、チェコ・フィルハーモニックが演奏しているという、なかなかに重厚な音にはなっています。ただ、「ランボー4」の時のようなジェリー・ゴールドスミスのテーマ曲を使えなかったせいか、ヒロイズムばりばりの映画にヒーローのテーマをつけられなかったのは残念。また、クライマックス、主人公5人が行動開始してから敵を皆殺しにするまで、音楽が駄々漏れ状態だったのは、いただけませんでした。まだ戦闘開始していない、準備段階からコーラス交えた盛り上げ曲を入れたりして、何というか、鳴らすツボを外している感じなのですよ。あ、後、エンドクレジットに長渕剛の歌を入れてたのも減点。まあ、音楽的には全体的にイマイチだったので、減点度は少ないですけど。

細かい話ですが、視覚効果プロデューサーには、ジャン・クロード・バン・ダムの一連のB級アクションの視覚効果を担当してるスコット・コールターがクレジットされており、視覚効果チームはその名前からブルガリアのチームが担当しているようです。さらに、ミニチュア特撮を、ジーン・ウォーレンJrが率いるファンタジーⅡを手がけています。ファンタジーⅡは、80年代のSFXファンには懐かしいSFXスタジオの名前でして、「ターミネーターⅠ&Ⅱ」「トレマーズ」などを手がけています。

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かずさん、コメント&TBありがとうございます。役者をそろえて、大味だけど王道の展開で突っ走る映画でしたね。確かに最近の映画にない男臭さというのはよく出ていたように思います。

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これぞアクションって感じだったし、男臭さが凄く良かったです(笑)
TBさせてください!

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なぎさん、コメント&TBありがとうございます。そうなんですよね、ドラマの盛り上がる部分が将軍の娘の部分なんですが、そこをアッサリやって、ドンパチを延々と見せちゃうから、メリハリを欠いてしまったように思います。おっしゃるとおり、豪華キャストを楽しむ映画ですから、マジな突っ込みは野暮だというのはわかってるのですが、つい突っ込み入れちゃうのは、そこそこ期待してたんです、この映画。

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確かに、あまりに豪華なキャストのせいで、ストーリー的にはどこが盛り上がり?と言う感じは否めませんでしたね(^^ゞ
でもまあ派手なアクションと、豪華キャストを楽しむにはいい作品でしたね♪
遅くなりましたが、TBお返しさせてくださいね☆

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たんたんさん、コメント&TBありがとうございます。後半を怒涛の展開と見るか、ドンパチの垂れ流しと見るかでだいぶ評価が変わると思いますが、そもそも評価するのがヤボかもって思わせる映画でもありました。もし、セガールがいたら、10倍の軍隊を皆殺しにできそうですが、そこまで敵方に予算をかけられなかったのではないかしら。

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どうもスタ映画とは相性悪く、しかし ここはオールスター スティサム&リーさん目当てに参上したのですが、やはりでした(^_^;)
セガールさんの初期のものは けっこう好みだったので、ここにセガールさんがいて欲しかったと~(-_-;)
わかるわかるという思いで ポチッ、TBを(^^♪

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Cartoucheさん、コメント&TBありがとうございました。確かに映画はメンツをそろえた割には、後半ずっと同じ調子で山場を欠いたような展開になっちゃってましたね。音楽はお気に召されたのですね。こういう映画に相応しい鳴り方をしていましたもの。ただ、こういうアクション映画の音楽には優れた先達がたくさんいますので、つい厳しめの記事になっちゃいました。

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すごい!お詳しいですね。
でも・・映画自体は私はどうも・・でした。
せっかく懐かしの面子だったのですが・・
そうなのですか音楽良かったですがチェコフィルだったのですか
TBさせてくださいね。

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Choroさん、コメント&TBありがとうございます。たしかにおじさん軍団がんばってましたね。個人的には、この映画が高い評価を得るなら、スティーブン・セガールの映画ももっと評価されてもいいんじゃないかって思うところありまして、こんな記事になりました。でも、深い事考えて観る映画じゃないですね、確かに。

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さすが、細かいところまでしっかりと見据えたレビューですね~(^^)
後に残るものはありませんでしたが、おじさん軍団が頑張っていたので、何だか微笑ましく(?)観てしまいました。(^^ゞ
あまり深い事は考えずに観る映画なのでしょうね(笑)。
TBさせてくださいね。

No title

pu-koさん、コメントありがとうございます。ステイサム出番多くてなかなかおいしい役どころですので、ご期待ください。でも、映画そのものは、まあそこそこの出来ですので、スティーブン・セガール映画の豪華版と思っていただければ、当たらずとも遠からずではないかと。

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くるみさん、コメント&TBありがとうございます。アクションを楽しむ映画だと思うのですが、脚本がストーリー部分も欲張っているので、全部捌ききれなかったという印象が残っちゃいました。まあ、それでもお気楽に観ている分には十分楽しめる映画でした。

No title

流石に細かいところにまで目が行き届いたレビューですね。
これだけオールスターキャストだと、それぞれを立てるというのは至難の業でしょうね~。
それでもスタローンのもとにこの面々が集まったというだけでもなんだか嬉しくい。
劇場逃しましたが、TVで観たいと思います。ステイサム好きなので♪

No title

確かに、大味な感じでしたね~(笑)
ストーリー重視ではなく、とにかく、アクションを楽しめ!という作品でしたね!
楽しかったです^^トラバ・・・宜しくお願いします。
プロフィール

einhorn2233

Author:einhorn2233
Yahooブログから引っ越してきました。静岡出身の横浜市民で映画とサントラのファンです。よろしくお願いいたします。

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