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「ザ・ウォード 監禁病棟」のサントラは、カーペンター映画の音楽としては物足りない


ジョン・カーペンターの新作「ザ・ウォード 監禁病棟」の音楽を手がけたのは、カーペンター本人ではなく、意外や「ツォツィ」のマーク・キリアンです。編曲もキリアンが担当しています。やはり、これまでのカーペンターサウンドを意識して作られているところはあるものの、ホラー映画の定番の音になっています。

ドラマとは独立したメインタイトルに流れるテーマ曲は、シンセによる衝撃音から、女性ボーカルをフィーチャーした物悲しいメロディが始まります。シンセだけでなく、小編成のストリングスも加えて、ホラー映画らしい、おどろおどろしい音楽は、どちらかというと無機質的でクールなジョン・カーペンターの音楽とは一線を画しています。カーペンター風のシンセのパルス音を入れた曲も登場しますが、それは、音楽のメインではありません。むしろ、サブテーマとして登場する女性ボーカル風による子守唄風の曲が不気味さを加えるのに一役買っています。

ヒロインたちと怪物の追跡シーンでは、活劇調の音で、サスペンスを盛り上げていまして、最近の映画の定番というべき、シンセとオーケストラをパーカッションのように扱う音楽で、ホラー映画というよりもアクション映画の音作りになるところが印象的でした。実際、映画もアクション映画的な見せ方になっているので、画面をサポートするという意味でも成功しています。また、ショックシーンも結構あるのですが、音楽もそのショックシーンに合わせて衝撃音を鳴らして、画面を盛り上げています。これまでのカーペンターの映画では音楽でショックシーンを煽る演出はなかったので、ちょっと鳴らしすぎじゃないのという気もします。それだけ、ドラマとシンクロした音作りになっているということが言えるものの、これまでのカーペンター映画に比べると、潤いを欠く音になっているのが意外でした。これまでのカーペンター映画の音楽は、シンセによる無機質な音が基調だと思っていたのですが、無機質なりの厚みを持っていたということになるのでしょうか。

ショックシーンの衝撃音の曲が多いと、アルバムとして聴いたとき、聴き心地がよくないのは事実でして、そういう意味では、今イチかなって、気がしました。ショックシーンの多い音楽だった「13日の金曜日」のサントラ盤の方がまだ、音楽として聴いていて面白かったですもの。クライマックスなどは、反復音楽で、サスペンスを盛り上げようとしているのですが、そこに人間の持つリズム感をさえぎる様に衝撃音を入れてくるのですよ。そういう不連続な音楽もあるのでしょうけど、ホラー映画だからって、人の神経を逆なでするような音楽を入れるのは、どうなのかしら。

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No title

pu-koさん、コメントありがとうございます。女性ボーカルが入るとホラーっぽい味わいが増しますよね。これまでのカーペンターの映画って、女性ボーカルが似合うような題材がなかっただけに、映画も音楽もカーペンターにとっては新機軸だったのかも。

No title

女性ボーカルがJホラーっぽくて怖いですよね(^~^;)
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Yahooブログから引っ越してきました。静岡出身の横浜市民で映画とサントラのファンです。よろしくお願いいたします。

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